富貴蘭の話
栽培方法 風通しが良く遮光率50から70%、品種によって遮光が変わってきます。栽培上手な方の棚を見せていただくのが一番の勉強です。
水苔植え 水苔の中空植え、芯に適当な棒状のものを使い植え込みますが、素焼き鉢、楽鉢、棚の条件で台苔の厚さを調整することが必要になってきます。国産水苔を熱湯につけ汚れやナメクジの卵退治を行っています。
草の種子にも多少は効果が期待できますが完全ではありません。
植替え 
(入手時)
新しく入れたものは、時期に関係なく自分の方法で植替えします。そのまま放置した場合、かならず根腐れしてしまうのが今までの経験、棚の水遣り回数、苔の渇きに合った水苔の植え方に変えるのが妥当と考えています。
水やり 溜めた水に鉢ごと漬けることは、病気や害虫の伝染を考え絶対にしません。洋蘭を作った者なら、ウィルス等の伝染の怖さを知っていますが、東洋蘭は無防備に行われているように思います。
また、素焼きと楽鉢は、乾き具合が違うので統一した方が楽です。
遮光 普通で60%ほど必要と思いますが、西日が当たるのが最悪です。午後3時頃にスパッと日差しが切れてくれるのが理想と考えています。遮光が強いのか?これの判定には、東出都を置くのがお薦めです。日差しが強いと葉にアントシアニンが出ます。
入手の前に まず、栽培環境を整えること、一番のお薦めはガラス温室、場所と費用で工夫すれば温室が無くとも日曜大工で木製やアルミ製の棚を作り寒冷遮をはることも可能です。
入手方法 一番は、信頼出来る方からの入手、特に新しい品種になると偽物が横行しています。オークションなど非常に怪しげな出品物も見ますので要注意!交換会に出せば10万円はする相場の木を5.000円でオークションに出す意図を考えるべきです。
珍しい木 入手困難な木が、なぜか話が転がりこむ事があります。迷ったら辞めるのが普通です。しかし、次回の入手が困難な木が殆どです。今の相場が100だから、50に値崩れするまで待って買うと言う方が多いと思いますが、実際は、100の時に入手した方がお得な場合があります。富貴蘭は持っていれば、普通は増殖するから半値へ値下がりするまでに数本の割り子は取れる可能性が大きいでしょう。珍しい木を早くから持っているのが元金回収の一番の方法でしょう。
山採りと銘品 山採り品種を評価する方が居ますが、私自信は、たとえ羆と同等であっても評価は数万円と考えています。名の有る大棚や富貴蘭会の有名人が登録し始めて評価が付くものであり、素人が手出しするには危険度100%じゃないでしょうか?
品種の選択@ いくら欲しい品種があっても棚の条件に合わない品種が存在します。こんな品種はいくら頑張っても無理です。諦めましょう!
品種の選択A 金額面で、どこまで狙うかを決めること。上を見れば限がありません。しかし、1万円のものを200鉢集めると200万になってしまいます。わたしのお薦めは裾ものでなく富貴蘭専門店が下取りに欲しがる様な品種を集めることです。
品種の選択B お金をなるべく使わず遊ぶ方法、裾ものを20鉢までと決めそれ以上の出費はしません。しかし、普通は、次第に高級品種に目が向きます。
越冬 夏の管理は誰でも可能です。しかし、差が出るのは冬の管理方法です。完全休眠、温室での半休眠、温室で冬場も生育、どれが可能か選びます。
しかし、普通に加温するだけでは日照不足で徒長してしまいます。この点では、高緯度の地域と低緯度の地域で大きな栽培環境の差が出ます。徒長させないための工夫をしながら加温すれば、それなりの良いことがあります。
その他 水遣り・肥料など棚の条件や品種によりまったく異なってしまいます。また、高級品種を買う場合は、ルーツのしっかりしたものを買うのが後々の安心になります。
建国殿系 羆へ変化すると大いに期待し異常なほど集める方が居ますが、建国殿縞から変化するのは“建国殿羆”どう転んでも本羆へ化けることありません。
また、
本羆と建国殿羆は明瞭な違いがあるのを理解すべきです。
建国殿系 羆覆輪の青が建国殿縞の中へ紛れ込んでいるのでは?勝手な想像です。
初心者でも名前だけは知っていると思える銘品ですが、本物は、まだまだ鉢数が少ないのが現状、たくさんの系統が存在し入手時には注意が必要。建国殿羆を本羆と偽り売っている場合もあり信頼できる人から入手すること。
羆と建国殿羆の見分け方 ラベルには、申し合わせの様に“建国殿羆”と書かず「羆」と書かれる場合が殆ど、○○大会の記念本に掲載されている羆も実際は、建国殿羆です。羆と建国殿羆は、葉姿、班の入り方、天葉の出方では区別できない固体があります。 しかし、建国殿羆が、絶対に真似できない芸が腰班の入り方。建国殿羆は軸全体を炙り出しのように黄色く染めますが羆は、軸の付け根を部分的に「ボワッ」と言う感じで染めます。この違いさえ知っていれば、羆と建国殿羆の区別はいたって簡単。悪い人に騙されることもありません。
羆の青柄落ち 本芸品の羆の中には、柄落ちの子ばかり多く生むものがあります。これから出た直の子に期待を寄せることが多い様ですが、まず100%本芸の戻ることはありません。羆の本芸は、天葉が真っ白に出てきます。して紺が葉の外周へ現れ紺覆輪になってきます。更に中班の色の薄緑から濃い緑、そして黄色の中班まで複雑な変化をします。天葉が餅班に出てたのを羆芸と勘違いしているような場合が多い様です、そんな単純な芸ではありません。
湖東錦 鉢数では、羆より少なく価格もやっぱり一番覆輪の外へ覆輪をまく葉を交えるのが本芸
羆 と 湖東錦 ぱっと見た目では羆に軍配、しかし鉢数と価格では湖東錦へ軍配。
また、じっくり見て飽きが来ないのも湖東錦、 
派手な羆か控えめの湖東錦か・・・
覆輪品種 狙っての実生が利かず、これから先は覆輪の時代が来ると信じるのは私だけでしょうか。もちろん実生の縞木から覆輪へと変化もしますが年月が必要です。
増殖品 新しい品種を入れる為の“軍資金”へ総て化けています。株作りにし懸賞木を狙う余裕なんか無くいかに増やすか、花芽を付けないかが一番のポイント。
珍しい木は、入手した時点で「割り子」の予約が入ることもあります。まだ芽当たりの確認すら出来ていないのに気長な話です。とは言っても、数の少ない木は、わたしも同じことやっています。
諦めた品種 銀嶺  ;本芸品になると根は伸びず栽培困難
大洞丸;良い出物なし、大丸縞に比較し性質弱く価格は同等
薩摩錦;柄が次第に暗んでしまう可能性大
価格維持のお薦め木 ある程度の年数を経ても価格を維持している品種
★至楽;作が難しいが、泥根が出る地味柄なら作れる。(派手柄はダメ)
★清涼殿;子への柄の継続性が悪く、なかなか増えない。
★黄玉殿子への柄の継続性が悪く、なかなか増えない。暑さに弱いので通風に注意。
★金牡丹黄縞;白縞は、葉の縁に柄が回る傾向が強く日焼けするが、黄縞は焼けに強い。黄縞系でなく、  はっきりと縞が出た木を買うこと。

新しい品種(実生)・・・希少種
豆の縞や覆輪が、この先、10年は高額を維持すると予想

これは、いけそうと思うお薦め木!?
大観、匂脅、伊勢矮鶏の白縞、錦麒麟、玉響、金剛宝